元熱帯魚屋店員です

20~30代初頭までアクアリウムショップに勤務していました。(ちゃんと経産省認可観賞魚飼育管理士資格持ってました)

その中でも特に水草水槽が好きになり、小型魚コレクションに夢中になりました。当時の観賞魚業界は、次々と新種が見つかり毎年華やかな小型魚が店頭を賑わせてくれていました。

個人的に水草に似合うよなーっていう小型魚を紹介したいと思います。

クリスタルレインボーテトラ
産地ペルー
サイズ2㎝
水質弱酸性~中性
性格温和
飼育難易度★★★★☆
レア度★★★

先ずはクリスタルレインボーテトラ!いきなりマニアックです。ほかの魚にはないカラーリング、クリスタルの名に恥じない透き通った身体に加えて光の当たり具合でレインボーが輝きます。正に宝石!尾びれの先は上がオレンジ、下がホワイトという、野生化ではどういった意味をなしているのか興味深い魚です。

しっかり脂ビレもあるのでテトラ(カラシン)の仲間。

サイズは約2㎝と、小型水槽ならどんな水槽にもフィットします。個人的にはショップで入荷した際、体が白く濁っていたりして非常にスレに気を使った魚です。

水質はそこまで気にしなくても良かった印象。一般家庭でアルカリ水じゃない水道であれば問題ないかと思います。

性格は温和で他の魚を攻撃するような事はないです。

飼育難易度はやや難しい。この手のマニアックな魚全般に言えることですが、ショップへの入荷状況が難易度を決めます。状態良く入荷したら非常に簡単に飼育できますが、南米便のような長期間航路で輸送されてくる魚はそれだけ体力を消耗する環境を過ごしているのでベストコンディションで入荷してくる個体は稀と思ってもらって良いと思います。購入のタイミングはショップで1週間程度飼育された個体を選ぶといいと思います。店員さんに聞いてみて判断してください。経験から言うと、常連さんはみんなそんな感じで店員(自分)に飼育をさせて生き残った魚を買っていったような・・・(笑)

レア度はペルー便とあって希少の部類。

スンダダニオ・アクセルロディ
産地インドネシア
サイズ2㎝
水質弱酸性
性格温和
飼育難易度★★★★★
レア度★★☆

専門店だったら割と見かける機会の多い小型美魚。背側がブルーメタリック、腹部はレッド~オレンジのカッパーに近いメタリックと、小さいながら凄まじい存在感ある魚です。個人的な思い入れとして、確か2000年頃に初登場した際強烈なインパクトで、そこから本格的に小型魚にハマりました。水草水槽の扉を開いてくれた張本人です。

サイズは2㎝、こう見えてコイの仲間に分類されています。

水質は弱酸性一択。入荷時にはピートやブラックウォーター乱用してました。とにかく入荷時の状態が悪いものが多く、かなり苦労しました(今はどうなんでしょ)

性格は至って温和。むしろサイズ的に他の魚に襲われないか心配なくらい。

飼育難易度ははっきりいって難しい。これも入荷状況次第なのですが、身体のスレや入荷時に入っている水(現地の水)が腐っている等、入荷時の状態が非常に良いというイメージがありません。

ショップは通常、直接輸入しない限り国内にある魚問屋さんで仕入れを行います。全国各地にあるのでだいたいがTELかFAXでの注文になりますが、近所であれば直接問屋に買い付けに行くこともあります。仲良い問屋さんだと、いつ南米便が入荷する、東南アジア便入荷する等教えてくれるので、アクセルロディの入荷についても前もって欲しい旨伝えて仕入れることにしてました。

それでも問屋さんに入った時点で先の様な状態の悪さなので、ショップでしっかり状態上げる(死なない個体を選別する)のが重要と感じています。因みに画像はショップの展示水槽に泳がせていたもの。状態上がるとここまで色味を出してくれます。

本来の色に仕上げていくのも小型魚飼育の醍醐味です!

ブリタニクティス・アクセルロディ
産地ブラジル
サイズ3.5㎝
水質弱酸性
性格温和
飼育難易度★★★☆☆
レア度★★★

最近はほとんど見かけるのか見かけないのかわからないカラシン。当時もカージナルテトラに混ざって入荷する程度でしたので非常にレアな魚です。

サイズは3.5㎝とまずまずなんですが、特徴的なのがオスの尾びれにカギ爪みたいな突起がついていること。このサイズの魚としては極めて特殊な特徴です。

生殖器だと思いますが、何かよくわかりません。

因みにメスには突起はありません。

身体が大きく割と丈夫ですので飼いだすとどんどん綺麗な魚体になります。色が揚がると最初の写真の様に尾びれ付近が赤く染まり、控えめながらに綺麗です。

それより、とにかく入手困難でしょうか。さっきネット調べてみましたがなかなか入荷していないみたいで、昔はいわゆる「混じり抜き」でしか手に入らなかった魚です。

混じり抜きとは・・・カージナルテトラ、グリーンネオンなどの入荷時、何匹か違う魚が混ざっていることがあります。よく見る違うテトラとかも多いのですが、たまに見たことない魚も入っており、さらにそれが綺麗な魚の場合があります。これをピックアップするのを「混じり抜き」といって、レアなカラシンを集めるマニアでは常識的なテクニックの一つ。ただし、入荷のタイミングは店員さん次第なので、入荷のタイミングでしかチャンスは難しいかと思います。

ただ、どうしても欲しい!とまでなる魚なのかというとよくわかりません(笑)が、コレクターさんの中ではかなり垂涎の一種かと思います。ちなみに自分も過去2回しか入荷(うち1回は混じり抜き)できませんでした。

もしみつけたらラッキーですよ^^

ハイフェソブリコン・コペランディ
産地ブラジル
サイズ3.5㎝
水質弱酸性
性格温和
飼育難易度★★☆☆☆
レア度★★★

丈夫で飼いやすい初心者向けカラシン…ですが、これもまた幻のカラシン。

背びれの伸びが凄まじく、全長3㎝程度ですがそれ以上の迫力ある魚体です。

この背びれはオス同士で威嚇しあう時に更にピンっと広げて、見ごたえ抜群。

名前の頭についている「ハイフェソブリコン」の仲間は、総じて同じような形をしており、背びれに見応えのある種類が多いです。

入荷して落ち着かせる為に展示水槽に入れてみたのですが物陰に隠れて出てこなくなりましたw割と臆病な種類かもしれません。

状態が上がると全身薄いピンク色になり、非常に繊細かつ爽やかな魅力あるカラシンです。

ジェリービーンテトラ
産地西アフリカ
サイズ4㎝
水質弱酸性
性格温和
飼育難易度★★★☆☆
レア度★★☆

美味しそうな名前のテトラ。由来は恐らくそのカラーリングからと思われますが、グリーンにオレンジ、イエローと他の魚には意外に無いカラーバリエーションを纏ったテトラです。アフリカ大陸から来た魚ですが、しっかり脂ビレがあるのでカラシンの仲間。

サイズは約4㎝と少々大きくなりますが、細身の魚なのでそこまで気にはならないです。

入荷時に悪い個体にあたった事がない?あまり嫌な記憶がありません。いつも入荷時にこのような小型魚は点滴法といって、エアチューブとコックを使って水合わせしますが、そこまで気を使わなくても元気に泳いでくれました。

最近では入手も楽になりつつあるようですのでちょっと変わり種にオススメです。

ルビーラスボラ
産地インドネシア
サイズ1.5㎝
水質弱酸性
性格温和
飼育難易度★★★★★
レア度★★★

全長約1.5㎝の極小ラスボラ。名前のとおりルビー色の身体が美しい美魚。

まずホームセンター等では見ることのない魚種。専門店でも限られた店でないとお目にかかれない魚です。

一応紹介だけしときます。。

というのも、この魚飼育するには相当気を使います。まず、入荷状態。安全に届いたことが無かったですw

だいたいスレとかで瀕死…

次にエサ。ブラインシュリンプ必須。ブラインシュリンプという甲殻類で、卵の状態で販売されており、塩水に漬けて1日経つとふ化するという、「お化けエビ」の一種です。毎日ブラインをふ化させ続けなければなりません。まぁ、マニアの方々は普通にされてますが。。。

とにかく小さいので、小型水槽でも10匹は群れさせないと映えにくい魚でもあります。

初入荷時は感動しましたが、いかんせん動きも早いのでカメラも撮りにくく、個人的にかなり癖ある魚やなと感じました。

まだまだいます!

今回ご紹介した魚以外にもまだまだいるのですが、またの機会にご紹介したいと思います。

また急になんで書き出したかというと、ふと昔の画像が沢山出てきて、自分が働いていたショップも無くなってしまったので、せめて記録に残しとこうという感じです。

なんの参考になるかわかりませんが、目の保養程度になれば幸いです。

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